言語学における概念形成の研究〜東洋学から一般言語学への影響〜
【研究分野】言語学
【研究キーワード】
言語理論史 / 概念形成 / ヨーロッパの中国学 / 国際情報交換 / フランス:中国:ドイツ:イタリア:アメリカ / 一般言語学 / 東洋学
【研究成果の概要】
今年度の研究計画として、代表者は、1)20世紀初頭の一般言語学・東洋学の資料収集(特に一般言語学の父と言われるフェルディナン・ド・ソシュール関連)、2)一般言語学と比較言語学におけるソシュールの継承者と言われるバンヴェニストの研究、3)19世紀東洋学と20世紀一般言語学の繋がりを考察する研究論文の作成、を予定していた。1)の資料収集に関しては、ジュネーブのソシュール生誕150周年シンポジウムに参加し、彼が残した手稿やメモなどの研究調査報告に触れることができた。またフランス・パリ国立図書館で、19世紀末〜20世紀初頭の言語学の雑誌を調査し、特に人類学との関わりを確認することができた。2)については、以前から一般言語学における基礎概念の一つである「言語langue」「ことばlangage」「言葉parole」が20世紀に蒙った意味内容の変容について、ソシュールとバンヴェニストを比較研究した。3)では、昨年度からの研究をまとめ、ソシュール、バンヴェニストについての論文作成と、19世紀フランス中国学についての学会発表を行った。発表では、特にフランスにおける東洋学が19世紀に持った影響力の大きさを確認し、そのうえで一般言語研究の概念形成(特に音声学の分野)に注目し、ヨーロッパ以外の言語の音声が、19世紀一般言語研究に与えた衝撃と、文字研究から音声研究へとシフトする言語学の流れの一端を追った。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(スタートアップ)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】2,690千円 (直接経費: 2,690千円)