国際地域におけるグローバル化と普遍化-21世紀へのリンク
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
国際学術交流 / 国際関係 / グローバル化 / 地域主義 / ガヴァナンス / 多民族共生 / 地域統合 / 非国家的主体 / 新しい普遍性
【研究成果の概要】
1.本プロジェクトは、神戸大学(法学部、国際協力研究科)と英国シェフィールド大学(東アジア研究科、政治学部)との学術交流の一環として、平成9年度から11年度まで行われたものである。両大学の国際学術交流の歴史は1980年代に遡ることができ、本プロジェクトは、現時点における成果の一つとして計画された。平成9年には英国、平成10年には神戸において合同セミナーが開催された後に、最終年度である平成11年度には平成12年1月7-8日の二日間、シェフィールド大学において国際セミナーが開催され、両大学の教官に加え、英国側ではウォーリック大学、リーズ大学、日本側では東京大学などからの参加者があり、地域主義をメインテーマに、理論的アプローチ、東アジアの国際関係、日本国内外情勢などに関して多様な議論が展開された。
2.本プロジェクトによる3年間に渡る両大学間の国際学術交流の成果は、研究成果報告書として冊子に収められているが、そこで得られた知見を簡潔に纏めると次のようになる。即ち、第一に、国際関係は、冷戦時代のみならずヨーロッパ近代に遡ることができる国家中心の関係から確実に変化しており、「新たな中世」とも言うべき時代を迎えていること。第二に、本プロジェクトで取り上げた東アジア、カリブ海地域、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、南太平洋地域などでは、既存の視角からは捉えきれない独自の地域化が進展していること。第三に、日本においても、地方自治体など、国家以外のレベルにおいて地域化への萌芽が見られること。そして第四に、21世紀の国際関係においては、これまでの国家間関係と並んで、多様なレベルの地域化とグローバル化とが相互に作用しつつ発展していくであろうと予測されること。
3.両大学間の交流は、本プロジェクトの成果を新たな礎として、両国間の国際学術交流における中核の一つとして今後も活発に行われていく予定である。
【研究代表者】