中国における新たな政治経済体制とその変動モデルに関する研究:学際的、国際的接近
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
現代中国 / 体制変動 / 改革・開放 / ガバナンス / ヒューマンセキュリティ / 中国共産党 / 構造比較 / 国際共同研究 / 政治経済体制 / 比較研究 / 中国 / 政治・経済・社会・歴史 / 構造変動 / 変動モデル / 学際 / 国際 / フィールドワーク
【研究成果の概要】
本研究は、現在中国の体制変動への問題意識を共有した日本の中国研究者に欧米の中国研究者が協力して、共通テーマについて共同研究に取り組んできた。1980年代以降に本格化した中国における改革・開放政策の著しい進展によって変化してきた中国の新たな政治経済体制に注目し、その変動モデルの発見をめざして、政治学、経済学、社会学、歴史学など様々な専門領域の日本だけでなく欧米の中国研究者が国際的な共同研究に取り組んできた。
共同研究は一つに日本側では国内で定期的に研究会を開催して、各自の研究について報告・討論を繰り返してきた。同時に欧米の研究メンバーとはこの研究会が開設したホームページやEメールを通じてバーチャルな研究交流を進めてきた。いま一つに毎年1回、日本あるいは海外でワークショップを実施し、研究メンバー全員とともに関連したメンバー以外の研究者にも適宜参加を要請し、メンバー各自の研究成果を報告するとともに、議論を通じて研究の質の向上につとめてきた。
共同研究を通じて、いくつかの知見を発見した。第1に、たしかに改革・開放にともなって新しい体制が出現したこと、とくに経済については市場メカニズムに基づく体制が定着していることである。しかし第2に、新しい経済体制に呼応する政治の体制はまだ見えてこないことである。いぜんとして共産党の一党体制が強固に存続している。第3に存続にもかかわらず、経済・社会構造の変化にともなって政治体制も変容を迫られ、共産党によるガバナンスが危機に陥りかけていることである。本研究はこうした成果を研究の代表者と分担者に海外協力者を加えて論文を提出し、平成17年度中に英文出版(Restructuring China - Party, State, and Society)することになっている。
【研究代表者】