AIとロボットの社会受容におけるテクノアニミズム概念の有効性の検討と国際比較
【研究キーワード】
ロボット / 人工知能(AI) / アニミズム / 科学技術社会論 / 文化人類学 / 技術のパブリックイメージ / 人工知能とロボット / テクノアニミズム / AI・ロボット / 文化比較 / 社会的認識論 / AIと文化 / 人類学 / 国際比較 / AIと社会
【研究成果の概要】
今年度の成果はおもに文献調査による理論的研究の進捗にあった。人とロボットを一枚の写真に収める際の構図の違いに注目した研究代表者の研究は、母子共同注視をもとにした共視論(北山修編『共視論』講談社、2005)を援用しつつ、対人関係に見られる社会的文化差が人=ロボット関係にも反映している可能性を実証的に示唆したものである。
このことは、人=ロボット関係に文化差が見られるのか見られないのかという一連の先行研究とは違った角度から社会におけるロボットのあり方を考察するための手がかりとなる。すなわち、「人=ロボット関係における文化」を問題にするのではなく、「文化あるいは社会における人=ロボット関係」を考察の対象とするべきであるという、問題設定そのものと枠組みの変換が必要であるという提言である。
テクノアニミズム的概念が人=ロボット関係の文化差の原因として機能しているのか、結果として表れているものなのかは当研究の当初からの課題であるが、人=ロボット関係以外にも類似の現象が見られることから、与件として扱って良いのではないか──少なくとも操作的にそのように扱うことの正当性が一定程度得られるのではないかとの見通しが得られたのも大きな進捗であった。
これらの知見を踏まえ、日本人におけるアニミズム的感性のアンケート調査を2021年3月22日実施した。各種動物に対する愛好度、動物の飼育経験、動物への接し方、メディアを介した動物との接触、キャラクターの愛好や認知、そして動物観および機械観についてのインターネットを利用した質問紙形式の調査である(N=1,057)。結果は現在まだ解析中であるが、日本人には一定のアニミズム的感性が見られることが再確認されたと同時に、ロボットに対してもアニミズム的感性が発露していること、しかしそれは動物に対するものとはパターンが異なることなどが確認されている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
久保 明教 | 一橋大学 | 大学院社会学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
神里 達博 | 千葉大学 | 大学院国際学術研究院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)