インセンティブ設計科学の創出
【研究キーワード】
ゲーム理論 / 人工知能 / 最適化 / 機械学習 / 実験経済学
【研究成果の概要】
2020年度には,10件の論文出版と,19件の学会発表(うち,招待講演5件)を行った.
マッチンググループでは,従来は部分問題に分割して考察されてきた3者間(例.学生ープロジェクトー研究予算)のマッチングを,一つの問題として解くことに取り組んだ.公平性と割当効率性が一般的には両立不可能であることを示したほか,弱められた公平性・割当効率性を満足する耐戦略的なメカニズムを設計し,その性能を実験によって評価した.本成果は,国際会議 AAMAS-20 にて報告した.
オークショングループでは,研究代表者による既存研究である,情報伝播を伴うオークションから着想を得て,金銭による効用譲渡を用いない資源配分メカニズムにおける情報伝播の動機付けに取り組んだ.詳細には,既存の資源配分メカニズムであるトップトレーディングサイクルアルゴリズムを修正し,ある種の安定な資源配分を出力するメカニズムを設計した.本成果は,AAMAS-21 にて報告した.
人工知能/最適化グループでは,研究代表者が90年代に提唱した分散制約最適化問題(Distributed Constraint Optimization Problems, DCOPs)のフレームワークに,変数の連続性を許す修正を施した, Continuous DCOP (C-DCOP) を提案した.一部の C-DCOP 問題に対する厳密アルゴリズムを提案したほか,一般の C-DCOP 問題に対しては保証付き近似アルゴリズムを提案した.本成果は,国際会議 AAMAS-20 にて報告した.
行動/実験経済学グループでは,課徴金減免制度(リニエンシー制度)の改正に関する講演を行った.また,不確実性下での意思決定に関する一般向け書籍を出版した.
【研究代表者】