格差と序列による対立と葛藤の生成プロセスとその解決に関するゲーミング研究
【研究分野】社会心理学
【研究キーワード】
ゲーミング / 経済格差 / 葛藤解決 / システム変革動機 / 格差是正 / チームワーク / 格差 / 説得的コミュニケーション / 説得 / リスク / 環境 / ゲーミングシミュレーション / 階層格差
【研究成果の概要】
社会の構成員の間で生じる対立や葛藤をゲーミング・シミュレーションでモデル化し,葛藤の発生・維持・解消のプロセスを検討した。第1に,環境行動を促す説得的コミュニケーションに格差認識を導入し,説得における経済的地位の役割について行動意図と社会的公正の関係を示した。第2に,格差是正を協力とチームワークによる問題解決と設定し,協力が利益につながる機会を提供することで利害が異なる人々の間でのチームワークが上昇することを確認した。第3に,格差拡大と是正の問題をゲームルールの変更課題として再現し,システム変革動機について検討できるようなゲーミングを完成させた。
【研究の社会的意義】
現実の格差に関する事例をモデル化したゲーミング・シミュレーションにより再現し,階層間の固定・維持や移動のダイナミズムを参加者が体験しながら,既存の社会心理学理論として検討されてきた要因を参加者の視点を通して評価することが可能となった。
参加者がゲームのルールを現実世界の制度,政策と比較対照することで,参加者の視点から問題分析を進めることができ,また参加者にとっての当該問題に関する学習効果が期待できる。新たに開発する「格差社会ゲーム」を,役割交換による問題分析の学習ツールとして社会・国民に向け発信し,活用できる。現在課題となっている社会問題を扱うアクション・リサーチとしての意義もある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
吉川 肇子 | 慶應義塾大学 | 商学部(三田) | 教授 | (Kakenデータベース) |
池上 知子 | 大阪市立大学 | 大学院文学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2015-10-21 - 2019-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)