貝殻のミューゼオミクス:博物館の収蔵標本を活かすための実験的研究
【研究キーワード】
博物館 / 貝殻 / DNA / 博物館標本 / DNA抽出 / ミューゼオミクス / 博物館学 / 分類学
【研究成果の概要】
本研究の目的は、博物館に収蔵されている貝殻標本からDNAを抽出することにより、古典的な博物館標本の新しい活用法を検討することである。貝類は種多様性・形態学的多様性が高く、しばしば収集の対象とされるため、各地の博物館に大量の標本が収蔵されている。それらを分子系統解析に用いることを想定して様々な分類群で実験を行った。本研究の結果から言えることは、どのような種でも貝殻からDNA抽出をすることは可能であるが、抽出効率は手法によって異なる。目的とする種以外の種のDNAが増幅されることもあり、データの信頼性について検証作業が必要である。DNAが貝殻中になぜ保存され得るかという点は今後の課題である。
【研究の社会的意義】
DNA用のサンプルの保存には冷凍が理想的であるが、大量の標本を非常に長期に亘って博物館で冷凍収蔵することは現実的ではない。もし乾燥標本もDNA研究に使用することができれば、幅広い分野で博物館標本を活用できるものと期待される。
【研究代表者】