境界域での民族集団の形成:考古学と人類遺伝学によるアイヌ民族形成過程の解明
【研究分野】考古学
【研究キーワード】
エスニシティ / オホーツク文化 / アイヌ史 / 分子遺伝学 / 浜中2遺跡 / アイヌ民族 / 民族形成過程 / 遠距離交易 / 集団接触 / アイヌ / エスニシティ境界論 / 民族形成 / 古代DNA / 文化的統合 / 移住 / 擦文文化 / アワビ貝集積遺構 / 歴史アイヌ文化 / ゲノム解析 / 安定同位体分析 / 家畜飼育 / 海洋狩猟採集民社会 / 礼文島 / 境界域 / Integration / 文化的多様性 / 民族理論
【研究成果の概要】
本研究では、考古学、歴史学、人類遺伝学の研究領域を統合し、民族集団の形成過程について領域横断的な共同研究を企画実施した。具体的には、集団形成過程の検証として日本列島北部におけるアイヌ民族の民族文化形成過程における隣接する集団との経済的・社会的・文化的接触と、それに起因する文化統合についての比較検討に取組んだ。
研究の成果としては、歴史段階のアイヌ民族文化集団の形成過程に関して、地域的多様性や複雑性が見られること、新たな資料の確認を含む、具体的資料を提示することができた。
【研究の社会的意義】
これまで民族集団の形成過程については、考古学、歴史学、人類遺伝学領域で個別具体的な検討が蓄積されてきた。本研究では、民族形成過程が内包する経済的、社会的、文化的多面性を確認することで領域横断的な研究の重要性を提示することができた。
民族や先住民族という概念は、日常的に利用される用語であり、社会的に、政策的にも重要であるにも関わらず、今日まで共有できる定義を確立し得ていない。本研究は、領域横断的な議論を進める基礎的資料を提供することで今後の研究の基盤づくり寄与したといえる。
【研究代表者】