元素・DNA分析による土坑用途の研究-考古学・人類学・民俗学と自然科学の融合-
【研究キーワード】
土坑墓 / 墓坑 / 遺骸痕跡 / 窒素、炭素分析 / リン分析 / DNA分析 / 粒度分析 / PCN元素分析 / 土坑用途 / 考古学 / 人類学
【研究成果の概要】
【Current Status】
当初計画に基づき大島2遺跡(北海道北見市常呂町)で3つの土坑墓(可能性)と、常楽寺柿木田1号墳(島根県出雲市)で2つの墓坑(確定)を対象とした試料採取を行った。このほか博労町遺跡(鳥取県米子市)で2つの土坑墓(可能性)、中西遺跡(奈良県御所市)において2つの土坑墓(確定)を対象とした試料採取を行い、合計9つの土坑を対象とした試料採取ができた。この数は、本研究を始めた2007年以降2020年までに分析を行った土坑の総数とほぼ同じ数である。これらの分析を通して、土坑内での各元素の動態が明らかになる可能性がある。
また、中西遺跡で3つの土器棺から試料採取を行ったほか、京都府埋蔵文化財センター、出雲国府跡(島根県松江市)でも用途不明の壺(胞衣壺、地鎮具と推定)を対象とした試料採取を行った。土器棺は従来1つの分析例があるのみである。土坑に比べ閉鎖環境が高く、遺骸の痕跡(分解された元素)が残る可能性も高いことから、理論の裏付けに役立つと考えられる。用途不明の壺についてDNA分析結果により内容物が明らかになれば、化学分析の結果から内容物(用途)推定の足がかりとなる可能性も示唆される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
熊木 俊朗 | 東京大学 | 大学院人文社会系研究科(文学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
澤藤 りかい | 総合研究大学院大学 | 先導科学研究科 | 日本学術振興会特別研究員(CPD) | (Kakenデータベース) |
瀬戸 浩二 | 島根大学 | 学術研究院環境システム科学系 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)