インドネシアにおける身体技法の伝播と変容
【研究分野】体育学
【研究キーワード】
舞踊 / 格闘技 / 身体技法 / 民族芸能 / プンチャク・シラット / ダンス・グループ / ダンス・テクニック / 格闘技(シラット) / ものつくり / ケチャ / 変容 / 南スラウェシ州 / 伝統芸能 / シラット / シセンバ / 観光化 / バリ文化 / 独自性 / インドネシア / 伝播 / 伝承 / 秘儀 / オリジナリティ
【研究成果の概要】
本研究においては、4年間の期間中にインドネシア国内の各島を訪れ、そのうちバリ島(バリ州)、ロンボク島(ヌサ・トゥンガラ州)、スマトラ島(西スマトラ州)、スラウェシ島(南スラウェシ州)、ジャワ島(ジャカルタ)の5島に関し、舞踊(民族芸能)ならびに格闘技に関する文献資料・インタビュー資料ならびに映像を入手することが出来た。他の島や、上記5島5州以外に関しては、予定されていたイベントが急遽延期・中止滞在期間中に実施されず、資料を入手できなかった。
今回資料を得られた範囲では、複数の舞踊問、また格闘技問で、それぞれ類似性が認められた。また既に先行研究において、インドネシアの舞踊には格闘技の技法を導入したと思われる振付が認められることが明らかにされているが、それが伝播し、当該格闘技の無い地区にその身体技法を伴った格闘技のあることが認められた。またインドネシア国内、特にジャワ島とスマトラ島で普及している格闘技シラットに関しては、そのまま舞踊作品として上演したり、あるいは舞踊の初心者用のトレーニングに用いられるなどの事例もあった。
なお舞踊に関しては、まったくの土着のものについて資料収集するのは困難であり、従って各地区で、あるいは民間で私的にカンパニーを組織し、内外の観光客を対象に公演活動を行っている団体のものを観賞した。またこのような舞踊(民族芸能)の一つのあり方として、モダンダンスという洋舞にそのエッセンスを導入し、新たな魅力を有する現代的な作品を創造しようとするロンボク島の若手舞踊家の事例も得ることが出来た。
本研究の成果は、論文のみならず、台湾における学会大会での講演、さらには教科書として編まれた『教養としてのスポーツ人類学』(寒川・編、大修館書店)の執筆部分に反映されている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
寒川 恒夫 | 早稲田大学 | スポーツ科学学術院・スポーツ科学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
川崎 一平 | 東海大学 | 海洋学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2004
【配分額】10,300千円 (直接経費: 10,300千円)