運動・感覚処理の特異性を示す人の認知特性の解明と支援法の検討
【研究キーワード】
発達性協調運動障害 / 自閉症スペクトラム障害 / バーチャルリアリティ(VR) / ギフテッド / 感覚処理 / VR(バーチャルリアリティ) / 感覚特異性 / 不器用 / 粗大運動 / 微細運動 / 仮想空間 / クロスモーダル / 発達障害特性 / 協調運動 / 感覚処理特性 / バーチャルリアリティ / 高い知能
【研究成果の概要】
本研究では,ギフテッドおよび発達障害特性の中でも特に運動や感覚処理の特異な特性を活かし,対処可能な支援法を検討することにある。これまでの研究では,新型コロナウイルス感染症のため,実験の予定を繰り下げたり,調査研究に切り替えるなどして予定をかなり変更した形で実施した。また仮想空間での実践応用のベースとなる基礎研究を中心に行い,事例研究を重ねてきた。
片桐は,幼児期の不器用さが小学校においてどういった問題が生じるのかを縦断データを用いて検討を行った。その結果,微細運動の苦手さは小学校において学業成績と密接に関係があり,粗大運動の苦手さは友人関係問題と密接に関係すること,微細運動と粗大運動双方とも情緒的な問題と関係があり,それらは6年間一貫して認められることを明らかにした。協調運動障害のある生徒に対する書き指導において,VRを用いて指導を行った結果,指導効果が一定程度認められた。まだ予備的検討であることから,今後より具体的支援法につなげる検討を行う必要がある。ギフテッドの研究では,親の会であるギフテッド応援隊と共にギフテッドの感覚処理の問題や生きづらさに焦点を当てて,これまでの研究成果を盛り込んだ一般向けの啓蒙書を出版した。
鳴海は,仮想現実を用いたクロスモーダル研究を行い,アバターの動きを予測できる場合には,自分の主体性感覚を著しく過大評価することを報告した。この研究は,仮想現実を利用したトレーニングやユーザーが仮想の身体を共有する共同遠隔操作の分野,教育的な応用などに広がる研究である。
池田は,主にケーススタディから粗大運動の苦手な子どもへの訓練,具体的には縄跳びや鉄棒の訓練効果について検討を行った。今後実空間から仮想空間でのトレーニングに対して検討を行う予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
鳴海 拓志 | 東京大学 | 大学院情報理工学系研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
池田 千紗 | 北海道教育大学 | 教育学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)