小児肝移植患児移行期支援を目的とした野外教育活動プログラムの開発
【研究分野】生涯発達看護学
【研究キーワード】
肝臓移植 / 小児看護 / 移行期支援 / アドヒアランス / 生きる力 / 野外教育活動 / キャンプ / 肝移植 / 小児肝移植 / QOL / 生きる力(IKR)尺度 / 移植看護 / 小児移植 / 生きる力(IKR)尺度 / 長期フォロー / 看護 / 臓器移植 / 移行期看護
【研究成果の概要】
1989年、わが国で最初の生体肝移植が行われてから、多くの子どもたちが成長発達を遂げた。しかし、アドヒアランスの低下によるグラフト不全や原疾患の再発により、再移植や再々移植が報告されている。そこで、小児から成人期への移行期の支援体制として、野外教育活動を構築した。
2015年から3年間、スキーを中心とした野外教育活動を行い、17名が参加した。生きる力尺度(IKR尺度)を用いて、事前、事後、追跡(1か月後)の変化を評価したが、有意差はみられなかった。しかし、保護者からは、事後に見られた子どもの行動変容についての回答を得られた。
【研究の社会的意義】
2010年、臓器移植法が改正され、少しずつではあるが脳死下臓器提供数が増えている。しかし、その数は少なく、末期肝不全状態の患者を救命するためには、生体ドナーからの臓器提供による生体肝移植が主に行われている。その状況において、もし小児期に生体肝移植を受けた子どもたちが再移植や再々移植が必要となった場合、もう一人、家族の中から臓器提供を得るのは難しい。
小児から成人へ移行する時期に、野外教育活動を通じて同じ境遇の仲間と友垣を作り、生きる力を備えることにより、日常生活において免疫抑制剤の服用や外来受診など、アドヒアランスが向上すると考えた。将来的には、再移植や再々移植を回避する一助になると良い。
【研究代表者】