成熟社会における学校教育を経由した階層形成メカニズムの比較歴史社会学的解明
【研究キーワード】
戦後日本 / 比較歴史社会学 / 学校教育 / 集団主義教育 / 労働市場 / 集団(主義)教育 / 中等教育 / 日本 / 東西ドイツ / 能力 / 社会科 / 1950、60年代 / 経済発展と教育 / 地域社会の変容 / 戦後復興期 / 高度経済成長期 / カリキュラム / 国際比較 / 戦後史 / 西ドイツ / 東ドイツ / ソビエト教育学 / 学歴 / 学校教育の役割 / 社会階層の形成 / 近代化
【研究成果の概要】
2021年度は、共通のテーマとして2020年度に意義を確認した集団(主義)教育について、関係者のインタビュー調査を中心に進めた。日本パートとドイツパートで手分けしながら、時にそれぞれの所属の国内移動でできる範囲で、東京出張やベルリン出張なども含めて作業を進めた。
インタビュー調査と並行して、日本とドイツの文献調査を進め、集団(主義)教育をめぐるかなり広範な1950年代から80年代の文献資料を収集した。また、研究代表者、分担者らの関係の研究業績について、定期的に検討を進める機会を設け、本科研の最終報告として、どのようなアウトプットが可能かについての議論を進めた。
これらの分析を通じて、当時の社会における教育を集団(主義)的に再編成させる方向性と産業社会化(特に製造業社会)が並行して進み、労働市場が再編成されることが教育と労働との間で「平仄が合う」事象がさまざまに観察されることが明らかになってきた。一方で、教育と地域との関係において、集団(主義)的な再編成が伝統社会として存在した地域社会と学校教育と労働市場の再編を通じて、地域社会自体も含めた再編過程のなかで「伝統社会」として地域社会を観察すべき点と、「近代化する社会」として地域社会を観察すべき点の両者を踏まえる必要性が何度も喚起された。
これらの議論と成果を踏まえて、最終年度では、実証・理論両面において、研究を体系化しながら知見を高度に昇華させていくことを期している。
【研究代表者】