フィンランドに分布する厚層年縞堆積物を用いた人新世高精度環境情報の抽出
【研究キーワード】
年縞 / 湖沼 / 人新世 / 高精度環境復元 / フィンランド / 珪藻 / 年縞堆積物
【研究成果の概要】
本研究においては、厚層年縞堆積物の共同ボーリングコア試料採取をフィンランド・トゥルク大学と共同で行う。具体的には、薄片試料を過去300年間分連続的に作成し、これを研究分担者および研究協力者間で共有する。これらの薄片試料と、未処理の土質試料を用いて、帯磁率、MICRO-XRFによる化学成分分析、セシウム137などの計測、微化石分析(花粉・珪藻)、昆虫遺骸分析、微粒炭分析、粒度分析などを実施する。上記の顕微鏡レベルでの詳細分析により、過去300年間の、すべての豪雨とそれぞれの豪雨強度、毎年の降雪量、および夏季における水温および日射量の変動を定量的に復元することを目的とした。
2021年度は、フィンランドへの渡航を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため実施することができなかった。フィンランドから、年縞を伴う湖沼堆積物を送付され、それ用いて、微化石分析を中心として行った。具体的にはKortta湖、Kalio-Kouru湖、Lehmilampi湖、Ori湖、Pulmanki湖、Ori湖ほかである。これらの分析によって、過去750年間の豪雨頻度の復元を行うことができた。当初計画では過去300年間としていたので、この点は予想以上の進展といえる。その成果は、国際誌4編、国際学会講演2、国内学会講演2として発表した。
研究代表者は、別途経費によって、2022年3月1日から31日までフィンランドに渡航し、フィンランド側の共同研究者であるトゥルク大学Timo Saarinen教授ほかと一緒に、フィンランド北端部、Kevo湖ほかにおける現地調査と、年縞堆積物を有するボーリングコア試料の採取を実施した。これらの試料は、2022年度において古環境解析のための諸分析を実施する。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
福本 侑 | 島根大学 | エスチュアリー研究センター | 客員研究員 | (Kakenデータベース) |
山田 和芳 | 早稲田大学 | 人間科学学術院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)