「持続可能な開発のための教育の10年」に留意した国際理解教育のカリキュラム開発
【研究分野】教科教育学
【研究キーワード】
ESD / 国際理解教育 / アウトリーチ教材 / カリキュラム / 教員研修
【研究成果の概要】
本研究では,まずESDの概念および,ESDのカリキュラム開発の手順を理解するための教育研修を行い,実態を把握することを最初の目的とした。そのために研修テキストを作成し,国立民族学博物館との連携により平成18年度と同様,平成19年8月6〜7日に大規模な教育研修を行った。その際作成したテキストは,国際理解教育の理念,ESDの理念,具体的な学習プログラム,教材開発およびカリキュラム開発の手順を習得できるものとして好評を博し,学校からも問い合わせがあり,全300部が配布済みとなった。19年度の費用のうち,このテキストの作成代が大部分を占めたが,配布終了後も多くの先生方からコピーの希望を受けたため,急遽50部増刷して追加配布を行った。このワークショップ研修の成果は,日本国際理解教育学会の年次大会での発表とともに,同学会紀要にも掲載された。
また,ESDの具体的なカリキュラムとしては,博物館アウトリーチ教材のコンセプトを応用し,ESDアウトリーチ教材を開発した。18年度は文教大学の学生と奈良県香芝西中学校との連携による共同開発であったが,19年度は同校区の鎌田小学校も実践に参加,小学校におけるESDに留意した博物館アウトリーチ教材を開発した。これらの教材は香芝市の小・中学校の文化祭で展示され,高い評価を受けた。この研究成果は,日本教材学会でも発表,論文投稿も行い,平成20年3月現在「査読の結果、掲載」(掲載頁も明記)の通知が届いている。さらに,開発したESDアウトリーチ教材を評価するために,マレーシア工科大学人材開発学部講師のクマラグル・ラマヤ氏に送付して,マレーシアで現地の中学生に対する授業を行い,高い評価を得ることができた。この研究は今後も,日本とマレーシアの中学生および小学生が,互いの国の文化と風土を紹介するアウトリーチ教材を作成し,国際交流をすることでより発展的な展開をしていく。
【研究代表者】