「循環」を問い直す―物質・文化・環境を繋ぐグローバルヒストリー
【研究キーワード】
グローバルヒストリ― / 循環 / マテリアリティ / 環境史 / 文化 / 領事報告 / 世界史 / アフリカ / 区分 / グローバルヒストリー / 環境 / 物質文化 / 交換 / 交易 / 歴史学
【研究成果の概要】
イギリスのウォーリック大学のグローバルヒストリ―・カルチャー・センターに所属する研究者と日本の研究者との間のグローバルヒストリ―を推進する本研究は、本年度も引き続き、オンラインミーティングを中心とした交流を行った。
史料討論班A(17~19世紀を対象)は、グローバルヒストリ―における区分や分類を再検討する課題を具現化した第一回全体会議を2021年5月24日に行った。11名の参加者による発表に対し、積極的に意見交換がなされ、次回は成果出版に向けた取り組みをすることになった。
史料討論班B(20世紀)は、ひきつづき戦間期の日本のアフリカにむけられた領事報告に関する共著執筆にむけて月例会議をオンラインで続け、それぞれの担当章の構成を整え、執筆要綱を討論する段階にきた。この本は領事報告をはじめとして、戦間期に日本人がアフリカについて残した記録を総合的に分析するものとなる。環境・文化・物質性の三つに注目し、いままでの研究よりもはるかに踏み込んで、史料にみられる記述を分析していく。戦間期のアフリカに関する記録としては、欧米のものより詳しい部分があり、この史料の貴重さを英語で示すことは重要なことであると見解が一致している。しかし単純に史料紹介するのではなく、分析を通じて、日本人がどのように欧米のアフリカ政策をみており、その視点をどのように解釈し、共通の視点がつくられていったのかを明らかにすることを目標としている。
その他には、研究分担者の松方冬子氏が3月にオンラインで研究発表を行い、次年度の5月にウォーリックを訪問することになった。ウォーリック大学からEUIへ出向中のリエロ氏が主宰したグローバルヒストリ―の新しい試みをめざす会議シリーズ(Carletti and the World, Nodes of Early Modern Capitalism)に研究代表者が参加し,発表討論を行ったほか、研究分担者が積極的に国際会議などでの発表を行った。
【研究代表者】