異文化交渉の動態と位相―ロマン主義テクストの受容と再構築の過程を考究する
【研究分野】英米・英語圏文学
【研究キーワード】
イギリス・ロマン主義 / オリエンタリズム / ヴィクトリア朝 / グローバリゼーション / 他者 / 異文化 / 想像力 / ロマン主義 / 受容 / モリス / ラスキン / ラファエル前派 / 植民地 / 帝国 / 美学 / 文化交渉 / 文学受容 / イギリス文学 / ヴィクトリア朝絵画 / 表象 / 比較文学 / 植民地主義 / 異文化交渉 / モダニズム / 帝国主義 / 旅行記 / 文化遺産
【研究成果の概要】
本研究は、イギリス・ロマン主義の文学テクストがヴィクトリア朝時代において再構築された過程を共同研究として考究した。イギリスの海外覇権が伸長したロマン主義時代の詩には異文化との思想的・文化的交渉が包摂されている。イギリスの帝国覇権がアジアにおいても確立するヴィクトリア朝時代、ロマン主義的異文化交渉はどのように受容され、再構築されていった過程を、とりわけコウルリッジの思想・哲学がラスキンやモリス、アーノルドなど19世紀の思想家に受容されていった過程、スキンやモリスの著作全体、都市や建築物の表象、またラファエル前派やオスカー・ワイルドにおけるロマン主義の影響を通して詳細に吟味し、成果として公表した。
【研究の社会的意義】
本研究は、異文化との衝突・交渉・融合を織り込んだイギリス・ロマン主義の文学テクストが、さらに多様な文化と接触するにいたったヴィクトリア朝時代において再構築された過程を共同研究として考究した。ロマン主義時代の文学作品にはオリエントを含む異文化との思想的・文化的交渉が包摂されているが、イギリスの帝国覇権がアジアにおいても確立するヴィクトリア朝時代において、そうしたロマン主義的な異文化交渉およびその思想が文学作品や思想に影響を与え、文化を構築して行った過程を考察することで、現代とも共通性が高いかたちで、グローバル化し、流通と消費に浸食され、移動と異文化交渉に憑りつかれた文学と想像力の位相を照射した。
【研究代表者】