吉岡デジタルアーカイブの構築とそれを活用した戦後日本の科学批判に関する研究
【研究キーワード】
吉岡斉 / 科学批判 / デジタルアーカイブ / 戦後日本
【研究成果の概要】
本年度の課題は、従来の科学批判論者との比較考量に加えて、戦後日本の科学批判における吉岡の位置づけと、そうしたスタンスをなぜ吉岡がとらねばならなかったかについて、戦後日本の科学批判をとりまく社会的・政治的・経済的環境の変化と関連づけながら考察することであった。とりわけ本年度は、最終年度にあたることから、これまでに得られた成果を発表していく予定であったが、それは十分に実現できなかった。
第一の理由は、昨年度までに電子化した資料を精査することに予想外に時間を費やしたからであった。電子化した資料は、ほとんどがテキストを電子化したものであったが、100GBにのぼる膨大な量であった。しかも日時がはっきりしないものも多いため、時間軸に沿って整理するだけでかなりの時間を要するものである。こうしたことから、まとまった成果として最終的に公表できるような段階には至らなかった。とはいえ、この過程で、研究協力者より、資料の行間を埋めるべく関係者による回想録を作成してはどうかとの提案があり、その作業に着手できたことは一つの前進であった。
第二の理由は、個人情報の学術的利用に関する判断の問題が生じたからである。「補助事業期間中の研究実施計画」に記載のとおり、整理・保存した資料の中に含まれている個人情報に関わる内容については、学術利用の可否を文書ごとに個別に判断することにしていた。しかし資料を精査するうちに、やはりある程度の判断基準をあらかじめ作成しておく必要性に迫られた。そこでこの問題に詳しい専門家とも相談しながら判断基準を作成しようと試みたが思うように進まなかった。こうしたことから当初の予定に十分に達することができなかった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
川野 祐二 | 下関市立大学 | 経済学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
溝口 元 | 立正大学 | 社会福祉学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)