気軽な会話を論理的討論に導く建設的会話支援システムの開発
【研究分野】教育工学
【研究キーワード】
協調的行動 / 協調的会話 / 協調学習 / CSCL / ディベート / グループ学習 / 科学的議論 / ネットワーク
【研究成果の概要】
本研究では、「気楽な」会話を誘うモード(YOUモード)から、ものごとを論理的に探求する会話のモード(THEYモード)へと移行し、互いの意見を論理的に「つなげる」会話を支援するコンピュータ・システム(建設的会話支援システムConstructive Conversation Support System : CCCS)を構築した。このシステムは、パソコン上のチャットシステムで、特定の「リード文」ないしは「つなぎ語」を選択して発話することにより会話を支援するシステムである。「気楽な会話」支援からしだいに「論理的討論」への移行は、すべてこの「リード文」で行われる。会話はすべて文字入力とし、会話の流れは、共有画面上にネットワーク表示される。会話での参入は、そのネットワークの流れのどこにでも、他人の発言に「つなげる」ことで可能である。また、教室内での一般的な討論支援のほか、ディベート授業での討論支援も行える。さらに、コンピュータ教室での端末機による利用のほかに、携帯情報端末(PDA)からの参加(会話系列の表示と、会話への参入)も可能であり、コンピユータ教室以外でも自由に建設的な会話を進められる。
また、インターネットを利用することにより、グローバルIPを持ち、外部から必要なポートにアクセス可能な、またはそれに準ずる環境を持つコンピュータで起動したサーバに、インターネットアクセスが可能で、ユーザーが遠隔地にいる場合でもリアルタイムに会話に参加できる。
さらに、Sun MicrosystemsのPersonal Javaを搭載した携帯端末PDA(Genio e550GX)で利用するシステムも開発した。PDAを、無線LANを利用しネットワークに接続することにより、ノートPCなどの大きな端末を利用することなく、会話に参加することが可能である。
これらのシステムは、中学校の理科の授業や、社会科のディベート授業で活用したが、活発な会話が支援され、生徒たちにも大変好評であった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
亀田 達也 | 北海道大学 | 大学院文学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
佐長 健司 | 佐賀大学 | 文化教育学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
楠 房子 | 多摩美術大学 | 美術部情報学科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
吉川 厚 | 株式会社NTTデータ開発本部 | 課長(研究職/">(Kakenデータベース) |
原 久太郎 | 株式会社大日本図書C&Vセンター | 部長(研究職/">(Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】7,000千円 (直接経費: 7,000千円)