国内外の連携による生物多様性保全を目的としたICTによる市民科学の教育実践
【研究キーワード】
生物多様性 / 市民科学 / 教育実践 / 国内外の連携 / WebとAIの活用 / スマホアプリ / グリーンインフラ / 外来種 / 評価指標の開発 / 国内外連携 / 課題解決
【研究成果の概要】
地球規模での生物多様性の危機を解決する有効な手法として、ICT(情報通信技術)を活用した市民科学は欧米では著しく進展している。しかし、日本では実践事例が極めて少ないため、本研究では日本の生物多様性の保全に資する3つの市民科学プロジェクトを国内外の多様な組織や市民と連携して開発・実践した。
3つのプロジェクトは、(1)WebとAIを活用した国際連携による大陸レベルの種の多様性、(2)汎用性のあるスマホのアプリを活用した河川の外来植物調査、(3)流域市街地を対象としたグリーンインフラ(生態系のもつ機能)を活用した市民協働による洪水防止のアプリの開発と実践で、得られた結果の解析と評価を行い、公表した。
【研究の社会的意義】
種の多様性のデータベースを提供する“City Nature Challenge”を世界の都市と連携し、3年間実施した。2021年には世界の419都市の5万人が参加し、同定された4万5種は国際生物多様性データベースに登録され、市民科学の意義を明らかにした。河川敷の外来植物調査のアプリは多様な組織との共創で実施し、行政や研究者のデータを補完する面的な知見を得た。また、住民と協働し、個人の庭の雨水の流失と浸透性能を明らかにできる市民科学プログラムを作成し、実践した。研究成果は学術誌に発表し、また、国内外の市民科学の情報収集や視察から得た成果を基に、市民科学の日本で最初の包括的な著書を執筆した。
【研究代表者】