生物学教育における自然人類学の新しい展開と科目間連携の探索
【研究キーワード】
自然人類学 / 動画教材 / 脳容量測定法 / 著作権 / サルの行動観察 / ヒトの遺伝子 / 化石頭蓋骨3D模型 / 授業用パワーポイント解説 / 生物学教育 / 人類学教育 / 科目間連携 / 教材 / ITC
【研究成果の概要】
本研究の目標は、講義実習に資する動画教材、パワーポイント教材を開発し、教育効果を評価検証したうえで、その背景の解説を教育現場に論文や副読本として提供することである。これに基づいた研究実績の概要は、下記の通りである。
2022年5月までに、講義実習に資する動画2編を完成した。脳の進化に関連する実習(米田・市石・松村・矢野)として「脳容量測定方法」、類人猿とヒトにおける姿勢と運動の進化に関する実習(松村・米田・市石・広谷・近藤)として「ラエトリ足跡化石実習」を作成した。これらは、2021年10月に開催された第75回日本人学会大会のワークショップにおいて公表し、検討を加えたうえで完成版を得た。これらについては、学会ホームページを通して高校教員等に提供する準備手続きがほぼ整った。「ラエトリ足跡化石実習」については、都立竹早高校、江戸川区こども未来館ほかで高校生、小学生を対象とした出張講演授業を行い、効果の検証を行った(松村ほか)。
「効果的な博物館での展示方法の探求(広谷)に関して「サルの行動観察法」、ヒトの遺伝に関する講義実習の構築(太田)について「ミトコンドリアDNA を用いた系統分析」の実習動画の作成をすすめている。ヒトと化石人類の頭蓋骨の特徴を復顔を通して学習する方法の開発(戸坂・近藤・矢野)について、復顔と動画の作成に先立って頭蓋骨の3Dプリントをすすめるための準備を行った。
人類の進化についての授業用パワーポイント教材の作成(市石・山藤・松村)では、著作権にかからない図版7点と写真の作成をすすめた。
他教科との境界分野の教材の提案(科目間連携)に関して、人類学会誌の書評(松村)および日本発育発達学会の会誌に掲載された解説と座談会の記録のなかで議論した(松村・太田)。
【研究代表者】