新世代・バーチャルジェネレーションのための平和学習の新たなスキームとその実践
【研究キーワード】
平和教育 / バーチャルジェネレーション / デジタルネイティブ / VR / AR
【研究成果の概要】
戦後の原爆に関連する平和教育は,長崎や広島のヒバクシャたちによる「講話や被爆証言による平和・教育活動」が主だった.また,その効果は大きいもので,関係者は極めて積極的であったと言える.彼らの活動は戦争を記憶している世代,いわばアナログ世代に向けて大変効果的だった.それはデジタルジェネレーションと言われる今の若い世代に対しても貴重な財産であり,新世代のバーチャルジェネレーションのための平和・教育活動の模範でもある.そこで,新世代のポストモダンの思想やバーチャルの感覚的な応答能力など,デジタル・スマートフォン世代に平和を希求する心を継承させる方法として,平和・教育活動のコンテンツを拡張・仮想化(AR・VR)した「平和学習の新たなスキーム」を考案・実践することが本研究の概要である.
本研究の初年度である2020年度はVRコンテンツの完成度を上げることを目標としており,原爆当時の被害を物語る役割を果たしてきた平面写真のバーチャル化を通して,戦争の被害をボリューム感あふれる画像やVRコンテンツ制作に取り組んだ.また,VRコンテンツとして作成したものは,自ら操縦桿(LogicoolのG-PF-YS,フライトコントローラー)を操作し,被災地の上空を飛行するもので,長崎市内のF中学校にてシステムの試験的な授業を実施することができた.
2021年度はVRコンテンツの精度アップと改造を実施し,原爆写真のコンテンツの追加などを実施した.しかし,コロナ下の中での本格的な授業実践については研究協力校での許可を得ることができず,バージョンアップしたコンテンツの授業実践には至らなかったが,新しいコンテンツのオンライン上での論文発表は実施できた.
2022年度は学校現場で本格的な授業実践と平和学習のスキーム策定と完成を目指す.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
渡邉 英徳 | 東京大学 | 大学院情報学環・学際情報学府 | 教授 | (Kakenデータベース) |
瀬戸崎 典夫 | 長崎大学 | 情報データ科学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)