ラテンアメリカの国際労働移動におけるジェンダー・エスニシティによる国際分業の変容
【研究分野】グローバル・スタディーズ
【研究キーワード】
移民 / ジェンダー / ラテンアメリカ / 女性移民 / 国際労働移動 / 先住民の移民 / ラテンアメリカ域内移民 / ラテンアメリカ域外移民 / 女性移民労働者 / グローバリゼーション / 「南」から「北」へ移民 / 「南」から「南」への移民 / 米国のラテン系移民 / スペインの南米移民 / 移民とジェンダー / 移民とエスニシティ / グローバリデーション / 国際分業 / エスニシティ
【研究成果の概要】
ラテンアメリカからの労働移民が直面する問題をジェンダーとエスニシティに着目して分析した.特に,ラテンアメリカ諸国から先進国への労働移動の事例として,アメリカ合衆国およびスペインへの移民を取り上げた.再生産労働の国際分業体制のもとで,先進諸国における家事労働者の問題が浮き彫りになった.同様に,ラテンアメリカ域内の労働移動においても,経済格差が域内移動を後押ししている.女性移民の場合,ジェンダー役割に近い家事労働者やサービス業などの第三次産業に偏り,低賃金と劣悪な労働条件に置かれている.女性の単身移民の動機は,従来の家族統合だけでなく,政治状況による暴力やDVからの逃避といった特徴がみられる.
【研究の社会的意義】
ラテンアメリカからの国際労働移動は,アメリカ合衆国におけるヒスパニック系移民に象徴されるように先進諸国における視点からの移民問題を対象としてきた.本研究は,従来の移民研究とは異なり,ラテンアメリカ地域における域外,域内の国際労働移動の諸相に焦点を当て比較研究をおこなった.また,特に女性と先住民に焦点を当てた調査を行った.ジェンダーの視点から移民を扱ったラテンアメリカの地域研究はほとんど出版されていない中で,もっとも脆弱な立場にある女性移民と先住民を研究対象としたことは,ラテンアメリカ地域研究および移民研究へ貢献した.
【研究代表者】