国際取引契約交渉の日米比較
【研究分野】民事法学
【研究キーワード】
契約 / 交渉 / 国際取引 / 日本:アメリカ合衆国 / 国際情報交換 / ゲーム論 / 実務教育 / IT(情報技術) / 日本:アメリカ
【研究成果の概要】
本研究の主な目的は、(1)国際取引交渉に見る法文化の日米比較および(2)国際交渉のスキルの教育のための教材・資料の集大成であった。
1.研究会、ビジネスパーソンや実務家の面接、学生による日米間の交渉シミュレーションの観察等を通じて、国際取引交渉に見る文化について、より豊かな理解が得られた。『交渉ケースブック』、「交渉と科学と文化」等において、交渉に見る文化を取り上げる。オーストラリア人で、アメリカ合衆国ワシントン大学ロースクールの教授であるテーラー氏との共同研究を通じて、"Japan's ‘Era of Contract'"(印刷中)において、「契約の再規制」とでもいうべく、日本における契約観の動向を、研究分担者内田が分析する。
2.国際交渉のスキルの教育のための教材・資料に関して、多くの成果をあげた。『交渉ケースブック』の本文は主として理論編からなり、交渉と教育、交渉の基本原理、交渉技法等のテーマを取り上げている。本文の他に、実践編中心で、教員用のCD-ROM(非売品)において、様々なシミュレーションその他の資料が収まっている。「座談会、法律実務家のスキルとしての交渉」も交渉スキルの教育を重要なテーマとしている。
他にも、交渉教育の普及に貢献した。研究期間の間に、インターネットを介して、東京大学とワシントン大学の学生との間の、同時交渉シミュレーションの授業を確立し,定着させてきた。その授業モデルを紹介する論文が印刷中であるが,既に他の大学(例えば、青山学院、早稲田、オーストラリア国立大学)が同様の教育モデルを使って授業を提供してきた。そして研究代表者、分担者がインタカレッジネゴシエーションコンペティションの運営委員会に加わり、交渉教育の普及をすすめてきた。
【研究代表者】