行動経済学の知見に基づくサプライチェーン上の戦略的意思決定に関する理論的研究
【研究キーワード】
ゲーム理論 / 行動経済学 / サプライチェーンマネジメント / マーケティング / 市場参入 / 応用ゲーム理論 / 垂直的差別化 / 水平的差別化
【研究成果の概要】
本研究では、サプライチェーン上の企業の戦略的意思決定について、行動経済学の知見に基づきゲーム理論のモデルを構築し、解析を行った。消費者や企業の認知バイアスの存在を考慮したサプライチェーンマネジメントに関する理論研究は進展しつつあるが、価格や品質の決定、あるいはチャネルや提携先の選択といった、マーケティングとのインターフェースに注目した研究はまだ緒に就いたばかりという状況である。本研究では特に、企業間に生じる公平性の懸念と、消費者の製品評価に伴う認知バイアスとに注目して分析を行った。ゲーム理論のモデル分析を通じて得られた結果は、企業の意思決定に関して多くの新たな示唆を与えたと考えている。
【研究の社会的意義】
サプライチェーン上の意思決定について、行動経済学の知見を積極的に取り込むことで、この分野の理論研究を発展させた点に本研究の学術的意義がある。社会システム工学分野は学際領域でありながらも、特に日本において経済学やマーケティングの知見を援用して意思決定をサポートする理論を構築していく取り組み自体が決して活発ではないと認識している。本研究の成果は、同分野に一つの新たな視座を提供するという形での貢献となり、同時に、現実の企業戦略策定に対しても少なからず示唆を与えるものと期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)