協力ゲームにおける提携形成と利得分配の実験と新しい理論構築
【研究分野】理論経済学
【研究キーワード】
協力ゲーム / 提携形成 / ゲーム実験 / 利得分配 / 経済学実験 / 実験経済学 / 協力ゲーム理論 / ゲーム理論
【研究成果の概要】
本研究は「協力ゲームにおける提携形成と利得分配の実験と新しい理論構築」と題し、協力ゲーム理論に基づく提携形成と利得分配の実験を幅広く行い、その成果を基に新しい理論を構築することを目的とする。協力ゲームの主たる研究目的は、提携を形成して得られた利益をメンバー間でどのように分配するかであり、経済的問題の他に政党間でのグループ形成のような政治経済問題、社会的な利害対立の調整等の社会経済的問題とも深く関係している。これらの理論的分析と、人々の間の実際の交渉の帰結とは相違することも多い。それらの相違の条件を実験により明らかにし、実験成果に基づくより現実の交渉に近い理論構築を目指すのが本研究の目的である。
2019年度は研究代表者の船木が在外研究中であったため、日本人研究者とはインターネットを通じて議論を行い、海外からの遠隔的な指示により若手の研究協力者らとともに早稲田大学の実験室でゲーム理論実験を実施した。なお、船木は、一時的日本帰国時には実際の実験実施も行った。このとき、新しい実験計画に関するミーティングも早稲田大学にて行っている。さらに、船木の一時帰国中に、仙台においてゲーム理論の若手ワークショップを共催した。
船木は在外研究中にハワイ大学を2度訪問しRUBEN JUAREZ准教授とともに、利得分配スキームに関する新しい実験計画を議論し、ハワイ大学出身の千葉商科大学の日本人講師と共に、2020年度中に実験を実施する計画を進めえている。なお、船木は本研究の実験成果について、モンペリエ大学、ニース大学、グラナダ大学、Luiss大学(ローマ)、ソウル国立大学、南洋理工大学(シンガポール)において研究セミナーを行った。特にグラナダ大学では国際ワークショップを共催した。理論研究成果については、フィンランドのTurukで開催されたヨーロッパゲーム理論国際学会において船木が報告を行った。
【研究代表者】