多次元組織データを用いた組織予測理論へのデータ同化による新規材料設計因子の探索
【研究キーワード】
アルミニウム / 1000系合金 / Al-Fe合金 / 加工軟化 / スカベンジング効果 / 電子顕微鏡 / EBSD / 主成分分析 / 1XXX / 特性予測 / 不純物元素 / データ同化 / 金属材料 / 機械学習 / 結晶・組織制御
【研究成果の概要】
持続可能な社会を実現するためには、高機能な軽金属材料の開発による省エネルギー化が重要となる。軽金属材料の性能を向上に向けては、微量添加元素の影響を受ける微細組織の制御が重要となる。加えて、革新的な高機能材料を開発するためには、材料特性に影響を与える新規な微細構造因子の発見が必要となる。本研究では、アルミニウム合金の機械的特性を主な対象として、原子スケールからミクロスケールにかけて取得可能な多次元組織データに対して機械学習アプローチを用いて、材料特性に寄与する組織データを抽出するとともに、抽出データを材料組織学の理論に還元し、高機能材料設計の指針となる新規微細組織因子を見出すことを目的とした。
【研究の社会的意義】
高純度Alにおける加工組織の緩和・回復現象は実験的に確認されているものの、現象を支配する因子については未解明の部分が多い。本調査結果は、転位をはじめとした欠陥の運動学に基づく組織形成・発展に関する調査の重要性を示すものである。また、実用的には、加工軟化現象の本質的な理解により、既存Al合金の強度・成形性の制御の幅を広げることが可能となる。特に、強加工材において焼鈍等を用いることなく材料強度が制御可能となることは、組織制御およびコスト低減の観点で重要である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)