計算的プロテオーム解析による核外移行シグナルの同定
【研究分野】生体生命情報学
【研究キーワード】
核外移行シグナル / レプトマイシン / 2次元電気泳動 / ペプチドマスフィンガープリント / HeLa細胞 / アルゴリズム / コンセンサス配列 / プロテオーム / 隠れマルコフモデル / 遺伝的アルゴリズム / プロファイル
【研究成果の概要】
ヒト子宮癌細胞HeLa細胞を用いて核外移行阻害物質レプトマイシン処理/未処理細胞の核画分から抽出したタンパク質溶液をIEF Fractionatorを用いてタンパク質のpI値による分画を行った。それぞれのフラクションサンプルについて等電点電気泳動を行った後、SDS-PAGEを行うことによりタンパク質を分離しCBBによりスポットの検出を行った。イメージアナライザーにより、スポットのマッチングを行いレプトマイシン無処理細胞に比べてレプトマイシン処理細胞の核画分に発現量の多いタンパク質を検出した。このように検出したタンパク質をゲルより回収し、それらをトリプシン処理により切断し、MALDI-TOF Massによるペプチドマスフィンガープリントをデータベースで検索し、タンパク質を同定した。これまでにレプトマイシン添加により核内における発現量が変化する約100個のタンパク質を同定した。作製したリストの中からprohibitin, HSP27,HSP70,p27kip1を選択し、抗体を用いてレプトマイシンによる核画ぶんへの蓄積を確認した。その結果、すべてのタンパク質においてレプトマイシン添加による核内への蓄積が認められた。
一方、バイオインフォマティクスの技術を用いた研究として、NES配列のモチーフをより高精度に求めるアルゴリズムとして、アミノ酸配列から分別的に発見する手法を設計して、そのシステムを開発した。データベース中のデータを用いて計算機実験を行ったところ、正しいモチーフを求める問題に対して、既存のどの手法よりも高い性能を示した。本手法は、従来の単純な数え上げにより過剰頻度のコンセンサス配列を求める手法と異なり、正と負のサンプルを用いて分別スコアを最大にするモチーフを求めるという点が特徴であり、その結果としてどの手法よりも信頼性の高いモチーフを求めることに成功した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
榊原 康文 | 慶應義塾大学 | 理工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】3,000千円 (直接経費: 3,000千円)