ハイ・セキュリティ情報ネットワークの構成と利用技術に関する総合的研究
【研究分野】電子通信系統工学
【研究キーワード】
セキュリティ / 暗号 / 信頼性 / 安全性 / 異常トラヒック / 網管理 / 情報ネットワーク
【研究成果の概要】
高度情報社会のインフラストラクチャとして情報ネットワークの果すべき役割は今後ますます大きくなるであろう。反面その脆弱性が問題になりつつあり、ネットワークが備えるべき社会的責任としてハイ・セキュリティが要求される。
情報ネットワークを脅かす要因には、異常トラヒック,障害,災害,情報犯罪,破壊行為など様々な原因がある。これらの要因に対抗する手段としてのハイ・セキュリティとは、信頼性,可用性,保守性,完全性,安全性に関する総合技術である。本研究は、このような観点から、高度情報通信システムにおける高信頼網の構成法,異常トラヒック処理,障害・災害対策,情報システムにおける安全性対策や情報管理,暗号理論とネットワークサービスへの応用などを中心として総合的な検討を行った。
具体的には、本研究を効果的に遂行するために、ハイ・セキュリティ情報ネットワーク研究会を組織し、11回の研究会を開催し、総計35件の論文発表及び討論を行った。その結果として得られた研究成果の第一は、通信網の信頼性・安全性に関する技術動向や標準化動向に関する調査を行ったこと、第二は公開鍵暗号方式に関する提案や情報管理,認証,内容証明,配逹証明,EFTなどのネットワークサービスへの応用について検討したこと、第三は高信頼度通信網の構成法,異常トラヒック対策,網オペレーションシステムなどネットワークの高信頼化設計法について検討したこと、第四は交換機の信頼性設計,データ駆動形並列処理などの情報システムの高信頼化手法など情報システムの安全・信頼性対策に関する検討を行ったことなどである。さらに具体事例に関する調査として、大学におけるキャンパス間ネットワークや個人情報管理システムの現状や問題点についても検討を行った。
【研究代表者】