グローバル・ポピュリズムの比較政治分析:ヨーロッパ・アメリカ・日本
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
ポピュリズム / 既成政党 / SNS / 中抜き / 既成政治不信 / グローバリゼーション / 政治不信 / 反EU / ブレグジット / 移民 / 既成政党批判 / 移民政治 / 反イスラム / 中間団体 / 既成政党の弱体化 / 排外主義 / 新右翼 / 移民排斥 / 反エリート / 政治学 / 国民投票 / 反移民
【研究成果の概要】
本研究では、ヨーロッパ各国に米日を加えた現代政治の専門家が集い、2010年代以降顕著なポピュリズム拡大の背景・展開を分析した。その中で、ヨーロッパ各国のポピュリズムにおいては反EU争点の析出が看取され、欧州懐疑姿勢が近年の各国ポピュリズムの最大公約数であること、「エリート対民衆」の構図を演出するうえで反EU姿勢が効果的であることが示された。また米欧のポピュリズムの特徴として、中道左派政党が労働者階層の支持を失う中、反移民などの新たなイシューを掲げるポピュリズムが彼らの支持を獲得していることが明らかとなった。以上の研究成果を含め、欧米日を網羅するポピュリズム研究の集大成として、論集を刊行した。
【研究の社会的意義】
本科研では、共同研究の成果を取りまとめた論文集『ポピュリズムという挑戦 -岐路に立つ現代デモクラシー』を2020年2月末、岩波書店より刊行した。同書においては、欧米日におよぶポピュリズムの歴史的展開と相違、イデオロギー的特徴、政党構造など、各国におけるポピュリズムの態様を容易に概観できる叙述を盛り込んでいる。これにより研究者はもちろん、学生・社会人など、世界のポピュリズム現象を広く理解することを望む読者層に幅広く読まれる本となった。また研究メンバーは新聞・テレビなどにもしばしば登場し、ポピュリズムをめぐる議論や現実政治の動きについて、学術的知見をもとにコメントを行っている。
【研究代表者】