無形資産を構成する中核的な諸資産の測定と開示の研究
【研究分野】会計学
【研究キーワード】
無形資産 / ソフトウェア / 研究開発 / コーポレートブランド / IR / 情報セキュリティ / ブランドリスク / IT / 企業評価 / 自発的開示 / 企業価値 / 特許 / 価値評価
【研究成果の概要】
平成17年度より3年間にわたって行われた「無形資産を構成する中核的な諸資産の測定と開示の研究」では、研究活動の中で蓄積したデータベースなどを活用しながら、以下の5つの活動を実施した。
1.無形資産投資の中でも中核的な位置づけとなる研究開発投資と企業価値との関連性を検証した。研究開発投資が将来利益や企業価値に結びつくということなど、研究開発費の資産性を裏付けるいくつかの実証的な証拠を得るなどの成果を得た。
2.研究開発投資と企業価値との関連性が地域間でどのように異なるかを検証した。日本の研究開発活動は他地域と比べると低水準であるものの、中・長期的な成果に結びついている点、アメリカではむしろ短期的な成果に結びついている点などが明らかになった。
3.ソフトウェアや情報システムに関するデータベースを活用し、それらを活用してIT投資への取り組みと企業の業績、あるいはセキュリティーと資本市場からの評価の間に一定の関係性があることが明らかになった。
4.コーポレートブランドが株式市場でどのような評価を受けているかについての検証を行った。コーポレートブランドの魅力が高い企業ほど利益の持続性が高く、株式市場で高く評価されやすいなどの事実が解明された。
5.無形資産会計にかかわる会計制度、会計実務についても調査した。これについては、「11.研究発表〔雑誌論文〕」中の「無形資産会計の課題と展望」(企業会計第60巻)に所収されている。
【研究代表者】