北朝鮮の体制の持続性の根拠:中東・東南アジア・アフリカとの国際的ネットワーク
【研究キーワード】
権威主義体制 / 強靭性 / 持続性 / 国際的ネットワーク / 北朝鮮 / 威主義体制 / 中国 / 東南アジア / 中東
【研究成果の概要】
本研究の目的は、北朝鮮が構築してきた権威主義体制の国際的なネットワークによって、「北朝鮮の体制への国際的な支持あるいは黙認がもたらされた」ことが、北朝鮮の権威主義体制の「強靭性・持続性」の原因であるという仮説の下に、北朝鮮と関係が深い中東・アフリカ、北東・東南アジア諸国に対する北朝鮮の貿易や経済進出などの現状を把握しながら、過去に遡って調査することである。
2020年度は、中東・アフリカ・東南アジア・モンゴル・極東ロシアなどでの資料収集を目的としていた。しかし、資料収取や研究調査は計画からは大幅に遅れることになった。研究代表者も研究分担者も計画していた海外調査を全く実施できなかった。原因は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって海外渡航が困難になったためである。調査対象国から資料を購入しようとしても、計画調査対象国でのロックダウンなどの防疫措置などによって、日本に輸送することもままならず、購入不可能な資料が多かった。
そこで、2020年度は、まず既存の資料を中心に情報を整理し、過去において調査対象国と北朝鮮がどのような関係を構築してきたのかを調べて、研究成果を発表することにした。その過程で、3名の研究協力者の協力を得て、研究実績を積むことができた。2020年度の最も重要な研究実績は、3名の研究協力者とともに、2021年1月9日に研究代表者と研究分担者が新潟において開催したシンポジウム「北朝鮮の経済と貿易」とその成果である『聖学院大学総合研究所紀要』である。シンポジウムは、実際に新潟の日航ホテルで開催したものをウェビナーでも配信した。その報告文やコメント文は、『聖学院大学総合研究所紀要』に特集として発行した。それらは聖学院学術情報発信システムSERVEからダウンロード可能なようにもしている。付け加えて、研究代表者と研究分担者が各々個人で発表した論文や口頭発表がある。
【研究代表者】