双方向市場のオークション・デザイン:離散最適化からのアプローチ
【研究キーワード】
オークション / メカニズムデザイン / 双方向市場 / アルゴリズム / ポリマトロイド
【研究成果の概要】
まず,双方向市場のオークションに対する最先端の研究結果であるDutting et al. (2021)やColini-Baldeschi et al. (2020)について内容を精査した.これらの論文ではエージェントの品物への評価額が確率分布にしたがっており,仲介者がその分布、もしくはその分布からの1サンプルの情報を利用できると仮定して,優れた性質を満たすメカニズムを提案している.研究代表者らはその仮定を維持もしくは緩和したうえで,これらの論文において捉えられていない重要な問題設定に対して適用することができるようなメカニズムの構築を目指して議論を行った.
次に,イギリスの中央銀行において実際に社会実装されているKlemperer (2010)のProduct mix auctionについての更なる進展を目指して議論を行った.当該オークションでは「競争均衡」が重要なキーワードとなるが,競争均衡の存在条件に関する特徴付けを行っているBaldwin et al. (2020)やBalkanski and Paes Leme (2019)について精査を行ったうえで,予算制約を伴うようなエージェントの財の交換における競争均衡の存在条件について行列の単模性をもとに特徴づけている前者について特に重要性が高いと考え,離散凸解析やトロピカル幾何学を駆使して更なる理論面での拡張が可能かどうかについて議論を行った.
安定マッチング理論の応用を鑑み,その基礎理論の修得につとめた.特に,安定ルームメイト問題の解空間の性質とロバストネスについて指導学生(研究協力者)とともに研究し,その成果の一部を応用数理学会研究部会連合発表会で発表した.
協力ゲーム理論やオークション理論とも比較的相性のよいM#凸関数の新しい表現法に関する論文を発表した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田村 明久 | 慶應義塾大学 | 理工学部(矢上) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)