近未来デジタル経済のための制度設計:理論、実証、実践
【研究キーワード】
ゲーム理論 / メカニズムデザイン / 実験経済学 / ブロックチェーン / デジタル経済 / 経済学実験
【研究成果の概要】
成果は10テーマについてであり、学術貢献とメディア情報発信をおこなった。1.ブロックチェーンとガバナンス:松島と野田は、ブロックチェーンの普及が実体経済にどのような影響を与えるかを明らかにする論文を完成させ、東大広報などを通じて海外に向けてプレスリリースし、大きな反響を得た。2.ブロックチェーンと情報デザイン:山本は、不確実性下において不適切に特定化されたモデルにもとづいた意思決定がもたらす経済学的帰結についての論文を専門誌に掲載させた。3.繰り返しゲームと信用:松島と萱場は、繰り返しゲームの理論研究を完成させ、専門誌に掲載させた。4.プライバシーと制度設計:松島は、不確実性下において、適切な資源配分が可能になるインセンティブメカニズムを、向社会的動機を利用することを前提として設計できることを示す論文を完成させた。5.限定合理性とインセンティブ:中島は、限定合理的な意思決定者による意思決定バイアスについての理論的基礎をつくる論文を専門誌に掲載させた。松島は、前川と矢ヶ崎との共同で、取引市場におけるフレーミングの重要性についての実験と理論の研究を進展させた。6.動学的オークションと5G:佐野は、動学的オークションのおける割引率の異質性についての理論的基礎を構築し、専門誌に掲載させた。7.自動化と日本経済史:岡崎は、明治以降の日本の産業化における技術革新と製品多角化、企業成長についての歴史的考察をまとめ、専門誌に掲載させた。尾山は、人口移動の動学的モデルをインセンティブの視点から分析し、地域間の人口分布格差を説明する論文を専門誌に掲載させた。8.倫理的社会選択:松島は、社会選択を、個人の選好の集計ではなく、異なる倫理的基準の妥協案として、公理論的に解明する論文を完成させた。10.グローバルコモンズ:松島は、温暖化交渉の制度設計を考えるための基礎理論をスタートさせた。
【研究代表者】