生態学的現象学による個別事例学の哲学的基礎付けとアーカイブの構築
【研究分野】哲学・倫理学
【研究キーワード】
個別事例学 / 生態心理学 / 促進行為場 / アフォーダンス / 出来事の現象学 / デジタル人文学 / 生態学的現象学 / 身体性認知 / 事例アーカイブ / 現象学 / 身体動作 / 思考 / 発達 / ソーシャルワーク / 技術 / 事例ライブラリ
【研究成果の概要】
本年度は、1)「知のエコロジカル・ターン」叢書刊行、2)事例学の理論的考察の推進、3)事例アーカイブの構築を軸として各人が研究を進めた。しかしコロナ禍により、それぞれの事例収集や実践に大幅な支障がでて、さまざまな変更を余儀なくされた。河野は、オンラインで子どもの哲学を実施し、参加者同士の役割をビデオで分析する作業を行ない、対話のデジタル人文学の構築を目指した。染谷は、身体の運動制御法の特別性を指摘し、身体性を科学する新たな方法(協調理論・自己組織化・環境を友とする制御法)への期待と可能性を探究した。三嶋は、間隙通過研究に関する体系的なレビューを行い、展望論文として公刊した。柳澤は、社会運動やカウンターカルチャーに関する情報を発信し、個々の画像に牽引されるアクセス数などのデータを採取するためのウェブサイトを(株)COOONと共同で構築した。田中は、個別事例学の応用として、(a)対面での会話とオンラインの会話を比較し、(b)末梢神経障害と中枢神経障害の個別事例を比較し、身体イメージの観点から運動学習過程に生じる違いを考察した。長滝は、開発した映像分析ソフトウェアによって、サッカーのゲーム映像の収集とその一次分析データを作成した。熊谷は、事例の個別性を分析する「当事者研究ワークシート」を用いたワークショップを企業対象にオンラインで行い、参加者のアンケートを分析した。岡田は、言葉を物忘れしてしまうロボット〈トーキング・ボーンズ〉とかかわった子どもたちの発話や行動を記録し、その促進行為場としての機能に関する分析を行った。直江は、Skillと伝統について、方法論の整備を図り、収録データの解析に反映させ、研究の取りまとめを進めた。森は、ZOOMで行われたアクティブラーニング型授業において、ユーザーのコミュニケーション様式と学習環境整備が発達する過程を観察し、新しい学習環境を整備した。
【研究代表者】