カテゴリー論的計算機数学の総合的研究
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
カテゴリー論 / 計算機科学 / 計算論理学 / 関係計算 / 人工知能 / プログラミング意味論 / 計算量理論 / 構成的プログラミング
【研究成果の概要】
本研究は、総合的観点からカテゴリー論的計算機数学の基盤研究として行い、以下のような研究成果を得た。
(1) 関係代数、デデキント圏の応用として、新しいプログラミング言語のパラダイムとして注目されている関係型プログラミングの意味論を発展させ、「関係集合論」の基礎理論を構築し、また、並列アルゴリズムのプロセス代数による基礎理論を発展させた。(河原、溝口、大塚)
(2) データマイニングの基礎理論を計算学習理論の立場から発展させた。すなわち、実数値関数の計算可能性を定義し、数値データに対する発見理論の基礎である実数値関数の対する学習アルゴリズムを与え、それらの計算量について研究した。(有川)
(3) その他分担者はそれぞれ次のような研究を行った。小林は2次元一斉射撃問題、宮野は計算量理論とそのゲノム解析への応用、寶來は型理論とλ-計算の基礎理論、疋田はプロセス代数の応用、佐藤・林はカテゴリー論的および構成的プログラム理論、上江洲・小野・廣川はカテゴリー論的数学基礎論、向井は圏論の基礎物理学への応用に関して、種々の結果をあげた。これらによって、日本における応用数学の新しい方向への示唆ができたと考えられる。
(4) 3年度にわたり応用数学合同研究集会(平成8年〜平成10年12月・龍谷大学・瀬田市)を離散系代表者の一人として開催した。本研究課題の成果についての詳細は、研究実績報告書(冊子、約220ページ)にまとめた。(河原)
【研究代表者】