スケーラブル統合プログラミング言語モデルLMNtalの実用化
【研究分野】ソフトウエア
【研究キーワード】
LMNtal / プログラミング言語 / グラフ書換え / 並行計算 / 言語処理系 / 最適化 / プログラム言語 / コンパイラ / 分散計算 / 多重集合書換え
【研究成果の概要】
LMNtal(elementalと発音)は,多重集合や並行処理やモビリティなどの概念を持つさまざまな計算モデルを簡明な形で統合することを目的として,研究代表者と研究分担者が提案したプログラミング言語モデルである.本研究は,階層グラフ書換え型の計算モデルとして確立しつつあったLMNtalを実用プログラミング言語に成長させるために必要な言語機能を設計し,実装技術を確立し,実際に処理系を構築して広く公開することを目標に推進した.
本研究によって得られた主要成果は以下の通りである.
(a)プログラミング言語としてのLMNtalの確立-階層グラフ書換えモデルに対して,基本データ型と基本演算,モジュールシステム,他言語インタフェースなどの導入方法を検討設計し,それらを用いて多様なライブラリの構築を行った.
(b)実装技法の確立と処理系の作成-LMNtal用中間言語へのコンパイラと,中間命令列を実行をつかさどる実行時処理系からなる処理系を構築した.特に,複数タスクを用いた非同期実行方式を設計・実装するとともに,逐次実行最適化機能や中間言語からJavaへのトランスレータも実装した.またグラフ自動整形機能をもつ実行可視化機能を設計・実装した.
(c)記述能力の検証-LMNtalの基本的記述能力の検証のために,π計算,Ambient計算,λ計算,CHR(Constraint Handling Rules)など,多様な計算モデルをLMNtalでエンコードして,開発した処理系上で動作確認を行った.
開発した処理系の規模は約5万行で,http://www.ueda.info.waseda.ac.jp/lmntal/から公開している.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
加藤 紀夫 | 早稲田大学 | 産業技術総合研究所システム検証研究センター | 研究員 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】8,300千円 (直接経費: 8,300千円)