レジリエントな都市交通機能を実現する「認知,インフラ,制度」の相互改善型設計
【研究分野】ウェブ情報学・サービス情報学
【研究キーワード】
逆強化学習 / 強化学習 / 多目的最適化 / 社会シミュレーション / 行動規範 / マルチエージェントシミュレーション / 行動科学 / 最適化 / 敵対的生成ネットワーク / マルチエージェント / メカニズムデザイン / マルチエージェント強化学習 / 多目的強化学習 / 深層強化学習 / ソフトコンピューティング / 機械学習 / 都市計画 / 土木環境システム / 避難行動の規範抽出 / 鉄道運行整理 / 分散深層強化学習 / データ同化 / 対話 / 自然災害 / 認知科学 / エージェント / 人工知能
【研究成果の概要】
本課題では,都市交通が頑健かつ柔軟に機能する状況を「レジリエンス」と定義し,これを実現する上で,情報インフラや人の状況判断,法制度の3つのソフトインフラの連携が必要との立場から研究を進めてきた.特に緊急時の二次被害減災は人の行動が鍵であるとし,人の挙動特性を考慮した都市交通システム設計法を提案した.災害における人の行動の規範は,過去の似た状況の記憶に影響を受けるため,正しい情報を直接提供するよりも,最適な行動選択を促す方が効果的であることを確かめた.また,人流の軌跡から行動規範の推定法として,遺伝的アルゴリズムと逆強化学習を導入した2つの方法を提案した.
【研究の社会的意義】
災害時,都市交通機能の停止は,人々の移動手段を奪うが,その後の情報提供や運転再開についての意思決定が重要である.SNSなどによる不確かな情報の錯綜による混乱はもちろん,運営側の運転再開に関する誤った意思決定や避難誘導はさらなる二次災害を引き起こす.本研究の学術的貢献として,災害時の人の意思決定傾向や,情報の局所性,曖昧性を考慮した運営側,あるいは政府による最適な避難誘導案の生成支援が挙げられる.また,社会的意義として,人の意思決定傾向を踏まえた混乱や混雑が生じる状況や場所を予測可能にしたこと,および,本結果に基づいた法の見直しの根拠を与えることを可能にした点を挙げる.
【研究代表者】