分散システムでの時間的振る舞いの予測に関する研究
【研究分野】計算機システム・ネットワーク
【研究キーワード】
実時間処理システム / 分散処理 / 分散システム / ネットワークコンピューティング / アルゴリズム
【研究成果の概要】
ソフトリアルタイム分散処理システムのためのネットワークの構成として、LAN区間については、EthernetパケットのVLANヘッダにある優先度を使った有限離散値の優先度による優先制御を採用することとし,WAN区間やコンピュータでのスケジューリングにはEDFを用いることを提案した.WAN区間やコンピュータ側でのEDFスケジューリングとの遅延時間配分によって決定される,LAN区間1ホップでの遅延条件と,パケット優先度割り当ての確率分布から,LAN区間で割り当てる優先度を決定するアルゴリズムを提案した.コンピュータ上でのスケジューリングについては,EDFによるスケジューリングでの応答時間について,解析によりその予測方法を求めた.また,WAN区間において、遅延時間制御を行いながら,より効率的にネットワークを活用するアルゴリズムORC-GPSを提案した.ORC-GPSは複数ホップ経路において、EDFやGPSよりもより広いスケジュール可能領域をもつという優れた特徴をもつ,ORC-GPSは基本的にクラスベースのスケジューリングアルゴリズムであり、クラス毎に必要とされる遅延時間を基にクラスおよびそのパラメータを決めることができる,LAN区間での優先度割当による遅延制御には限界があり,ある特定の値からあまり大きく変動しないことから,LAN区間でも優先クラスによる遅延制御は行うが,主としてWAN区間で遅延の制御を行うことになり,そこでORC-GPSを活用する.全体の遅延からLAN部分で想定されるおよその固定量の遅延を差し引き,残部分を基にORC-GPSのパラメータを設定することにより,所定の遅延を実現することができる.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】3,100千円 (直接経費: 3,100千円)