生産性の高いGPU向けプログラミング言語処理系
【研究キーワード】
GPGPU / 領域特化言語 / スレッドスケジーリング / Ruby / グラフ処理 / 資源管理 / 入れ子オブジェクト / structure-of-arrays配置 / メタコンパイラフレームワーク / 動的長配列型 / メモリ管理 / JITコンパラ / プログラム合成 / 資源意識
【研究成果の概要】
本年度の成果は後述する高水準言語に関するもの他に、以下のものがあった。実行時コンパイラを従来よりも柔軟にするコンパイル方式を可能にする提案が国際会議Dynamic Language Symposiumに採択発表された。モジュール化機構に関しては、反応的プログラミングに永続性を取り入れる試みと、文脈指向プログラミングのモジュール性を向上させる言語設計の提案を行いそれぞれ国際ワークショップにて発表した。さらに柔軟かつ安全な制御構造を可能にする代数的エフェクト機構に関して基礎的な貢献を行い、国内ワークショップにて発表した。
GPU上での動的なオブジェクト生成を可能にするDynaSOArに対して、より高度なオブジェクト指向機能を追加した。具体的には入れ子になったオブジェクトをstructure-of-arrays配置へ変換する機構である。この成果は日本ソフトウェア科学会プログラミングとプログラミング言語研究会で発表したほか、PLDI国際会議に併設されてARRAY 2021ワークショップでの発表も予定している。また、これまでの一連の研究成果をAsian Symposium on Programming Languages and Systems (APLAS 2002)における基調講演として発表した。
GPU向け高水準言語LIFTを拡張し、より多くのプログラムが記述可能となるようにした。LIFT言語の型システムは配列長が静的に固定される制限を課していた。この型システムを存在型を用いて拡張し、配列長に関する安全性を保ったままより広範囲のプログラムが書けることを示し、実際にコンパイラを試作してその有効性を確認した。この成果は情報処理学会論文誌論文として採録され、筆頭著者の学生が情報処理学会コンピュータサイエンス領域奨励賞を受賞した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)