精神症状を併発する認知症患者と介護者の社会的孤立への統合的介入方法の検討
【研究分野】臨床心理学
【研究キーワード】
社会的孤立 / ソーシャルサポート / 介護者 / 認知症 / 精神症状 / 介護研究 / 孤立感 / カウンセリング / 不眠 / 認知行動療法 / 統合的介入 / a認知症
【研究成果の概要】
精神症状を併発する認知症患者とその介護者の社会的孤立の実態の把握と社会的孤立を緩和する有効な治療プログラムの確立は、認知症患者と介護者への支援体制の構築に大きく寄与する。以上の背景のもとに介護者カウンセリングと介護者へのソーシャルサポートの適正化も含めた統合的介入方法の効果を検証した。本研究の成果により認知症に併発する精神症状の介護に苦しむ介護者はうつや不眠を併発し、社会的に孤立し、否定的なコーピングを行うことも明らかになった。しかし介護者への適切なソーシャルサポートを視野にいれた統合的介入方法により認知症の精神症状介護の負担が重い介護者においても社会的孤立が緩和されることも示した。
【研究の社会的意義】
このように薬物療法に比較して、コストやリスクの低い新たな統合的介入方法の開発は、国内外での初めての試みであり、介護者の社会的孤立を緩和する方略を検討した意義は大きい。そのような検証により、社会資源を有用に利用し、在宅介護が継続できるような新たな介護サポートシステムの開発と波及が今後期待できる。
【研究代表者】