エントロピーに基づき対象の構造的変化のスケール横断的説明を支援する階層型可視化
【研究キーワード】
階層エントロピー / 系のダイナミクス / 変化の説明 / 感染拡大 / 金融市場 / マーケティング / 特徴概念 / COVID19 / 階層グラフ学習 / 構造的変化 / スケール横断 / エントロピー / 可視化 / 画像の特徴抽出 / 地震データ / 社会・経済データ
【研究成果の概要】
本研究は、昨年度まで写真や絵画を対象にしつつあったが、研究代表者の本来の関心に即した対象として①ウィルス感染拡大 ②金融市場 ③データエコシステム ④知識を普及させる社会活動 などを含めて進展させている。これらの応用対象領域におけるターゲットはそれぞれ、人の社会生活にとって欠かせない構造体だといえる。対象領域が変わると全く同じアルゴリズムでは通用しないものの、その基礎において本研究の階層型エントロピーの有効性を検証してきた。
昨年度までに、階層エントロピーを求める際に、対象空間全体を区切る領域の形状を、与えられた軸に沿うのではなく柔軟な境界を用いる手法について提案してきたが、さらに、a. 各領域ごとにクラスタに分けられることによるエントロピーを求めその集計として対象空間全体のエントロピーとした値(スケール依存エントロピー)を得る方法に加え、b. 各クラスタが複数の領域をまたぐことによるエントロピー(領域間連結性)を求める方法を提案した。
このうち、aについては対象の問題における情報空間から適切なスケールで領域を分割するような応用研究から、自然現象(地震等)・経済現象(経済指標の変化の共起性など)における有益な知見を得てきた。一方、多様な経済指標の変化の連結性を示すネットワークにおいて、aのエントロピーのみならず株価や国債価格などの意味的領域で分割してbをaを組み合わせて計算される値を用いることによって、金融市場の変化を検知するのみならずその原因説明が可能となることが分かった。この効果は、金融業界において実際に投資を行っているプロへのヒアリングによって定性的にも確認されている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
早矢仕 晃章 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【配分額】24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)