話者を単位とした世界諸英語の自動分類とそれに基づく国際コミュニケーション支援
【研究分野】知覚情報処理
【研究キーワード】
世界諸英語 / 発音自動分類 / 音声の構造的表象 / 機械学習 / 発音の了解性 / 聴取の頑健性 / 分節的・韻律的特徴 / 韻律読み上げチュータ / 国際コミュニケーション / 発音の地図化 / 発音クラスタリング / 発音の構造的表象 / 外国語教育 / 聞き取り難さ / シャドーイング / 発音分類 / 発音の明瞭性・了解性 / 構造的表象 / 発音の地図化・クラスタリング / 音声分析
【研究成果の概要】
世界諸英語の発音多様性に着眼し,1)話者を単位とした世界諸英語の発音分類を行うべく,任意の二話者の発音距離推定技術を構築し,2)特定の学習者を中心に据えて,諸英語を俯瞰できる諸英語発音ブラウザを開発した。しかし,発音の相違が常にコミュニケーション上問題となる訳ではない。そこで,外国語訛りとコミュニケーションエラーに着眼し,3)日本人英語を米国人がどこで聞き誤るのかを予測する技術を構築し,4)聞き取りを誤る他の要因として環境要因にも着眼し,日本人の英語聴取能力の頑健性向上を検討した。5)日本語学習者に対しても,了解性の高い発音を効率的に習得できるよう,韻律読み上げチュータを開発した。
【研究の社会的意義】
本プロジェクトは,英語発音の多様性に着眼し,学習者自らを世界諸英語の中心に据えて,世界諸英語を俯瞰するブラウザを構築し,発音の多様性への意識を向上させる機会を提供した。このような試みはこれまでに例がなく,国内外の関連する学会にて,7回の招待講演,基調講演を行い,学術的に大きく貢献した。また,発音の崩れによる了解性の低下を避けるべく,日本語学習者向けに構築した韻律読み上げチュータは,既に14ヶ国語に翻訳され,世界中の教育機関で使われるに至っている。このシステムは,本プロジェクト開始前から開発を進めていたが,2019年4月時点で,40カ国,140回の講習会を重ねており,社会的意義は極めて高い。
【研究代表者】