「朝日会館」の子供を対象とした文化活動の検証及び記録化と、社会教育への影響研究
【研究キーワード】
芸術文化 / 教育 / 音楽 / ホール / 文化施設 / 教育プログラム / 子供 / 文化 / メセナ / 芸術 / 新聞 / 芸術文化教育 / メディア / 劇場 / 朝日会館 / 芸術教育 / 雑誌 / 絵本 / 児童画 / 映画 / 子供文化 / 社会福祉 / こども文化 / 社会教育 / ソーシャル・ネットワーク
【研究成果の概要】
本研究は、1926年から1962年まで大阪の中之島にあった総合文化施設「朝日会館」における子供を対象とした文化活動について検証することを目的とした。朝日会館コドモの会の機関誌『アサヒカイカン コドモの本』に掲載されていたジャンルである、音楽・映画・絵画・ロシア絵本・雑誌の各方面の研究者により、研究が進められた。その結果、朝日会館の事業が、朝日新聞社厚生事業の社会貢献的な見地から、特に力を入れて朝日会館の子供対象企画であったことや、それが京阪神間の「プチブル以上の」家庭の子供達を対象とした「趣味教育」を意識した展開であったことが明らかになった。
【研究の社会的意義】
具体的な場「朝日会館」と、そこに集う人々をつなぐ雑誌『アサヒカイカン コドモの本』また「アサヒカイカン コドモの会」「アサヒ コドモアテネ」によるネットワークは、学校教育とは違い、自分の興味関心から結び付く主体性を伴うものである。雑誌の内容と朝日会館での各活動には、循環構造が構築されていた。このことから、昭和初期より社会福祉事業として始まったメディアが主導し志向した教育活動は、「趣味教育」をキーワードに、学校教育とは違ったつながりを生み出し、一つの教育コミュニティーを創り出していたことが明らかになった。これは、現代における、学校外コミュニティ形成とその意義に示唆を与えるものである。
【研究代表者】