人工知能のための高次推論原理と知能プログラミング言語に関する総合的研究
【研究分野】知能情報学
【研究キーワード】
人工知能 / 高次推論原理 / 学習 / 計算言語論 / 定理証明 / 並列分散処理 / 知能プログラミング / 認識システム
【研究成果の概要】
この研究プロジェクトは、現在の人工知能における壁をブレークスルーし将来に繋がる理論的かつ先駆的な研究を目的として、平成7年度、平成8年度の2年間にわたって行なわれた。各年度に、研究経過、成果の報告および討論のための研究集会を2回開催した。いずれの研究会も活発な討論と研究交流が行なわれ、概略以下のような研究成果が報告された。
(1)高次推論原理と知能言語に関する理論的研究:様相論理、時相論理、線形論理、型理論といった新しい論理的枠組みに基づいた推論原理に関する研究6件、仮説推論、類推、抽象化といった機能を導入した推論原理に関する研究4件、帰納的推論や学習を融合した推論原理に関する研究4件、論理とラムダ計算や推論に関する研究5件、知識表現や言語に関する研究5年、モ-ビルプロセスに関する研究2件、が報告された。
(2)定理証明器と推論計算法に関する研究:仮説推論、類推、モデル推論、消去法といった推論処理の定式化とその効率化に関する研究5件、証明文法や帰納的証明論を融合した新しい手法による推論法に関する研究4件、様相論理や型理論に基づく定理証明器の提案2件、が報告された。
(3)高次推論システムと応用に関する研究:種々の技法を用いた高性能の一般定理証明器の開発に関する研究4件、類推や非単調推論を用いた証明発見システムや学習に関する研究2件、インターネットを用いた証明システムや思考支援のための計算機環境に関する研究2件、が報告された。
発表された内容は、人工知能における理論的な成果のみならず実用的にも有用な成果が含まれている。また、研究集会では試作システムやインターネットを用いたデモンストレーションども行なわれた。これらの成果の一部が報告書としてまとめられている。
【研究代表者】