カラー構造化光パターン設計に基づくワンショット分光3D計測
【研究キーワード】
3次元復元 / マルチスペクトルイメージング / デプス推定 / 分光反射率推定 / プロジェクターカメラシステム / コンピュータビジョン / 画像処理 / 3次元計測 / 分光計測
【研究成果の概要】
本研究では、汎用のプロジェクタとカメラを用いて、物体3D 形状(デプス)と物体表面の分光反射率を同時に計測可能な、低コストかつ実用的なワンショット分光3D 計測システムの開発を目的としている。
初年度である2021年度は、研究計画のフェーズⅠとして、既存のカラーコードパターン投影に基づくネットワーク構築を実施した。また、ネットワーク学習用のデータ生成のため、物体形状および物体分光反射率を任意に設定し、実際のプロジェクタ-カメラシステムで撮影した画像をシミュレーション可能な、画像生成シミュレーターを開発した。
ネットワーク構築においては、RGBランダムドットパターンを投影して撮影したワンショット画像を入力として、デプス画像と分光反射率画像を同時推定するネットワーク構造を提案した。デプス画像推定においては、構造化光3次元復元の原理に基づき、プロジェクタ-カメラ間のドットパターンマッチングによりデプス画像を推定する。分光反射率画像推定においては、マルチスペクトルイメージングの原理に基づき、RGBの3つのプロジェクタ光源スペクトルおよびRGBの3つのカメラ分光感度の組み合わせによる9バンド情報から、分光反射率画像を推定する。これらの原理をロス関数として組み込み、ネットワークを実装した。
画像生成シミュレーター開発においては、3D空間上に任意の物体を配置し、実際のシステムで撮影した画像をシミュレーション可能なツールを開発した。物体形状として既存の物体形状データベース、物体分光反射率として既存の分光反射率データベースをそれぞれ活用し、これらの任意の組み合わせにより必要な規模の学習データを生成した。
生成したデータに基づき学習したネットワークを、テスト用のシミュレーションおよび実データで評価し、有効性を確認した。これらの成果は、コンピュータビジョンのトップ国際会議であるCVPRで発表予定である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)