ステレオカメラを用いた歪曲文書の電子化
【研究分野】知覚情報処理・知能ロボティクス
【研究キーワード】
書籍 / 電子化 / ステレオカメラ / 画像処理 / コンピュータビジョン / 3次元計測 / 歪曲補正 / 画像合成
【研究成果の概要】
1.文書撮影システムの構築
2台のカメラを用いて文書撮像システムを構築した.具体的には,書籍を上向きに置き,ステレオカメラを用いて非接触で書籍の撮影が可能なシステムを構築した.
2.紙面形状の3次元計測
ステレオカメラから得られる画像2枚の視差を求めることにより,紙面の3次元形状を計測する手法を構築した.ここで,文書表面には密なテクスチャがあり,かつ近距離から撮影しているため左右画像で光の当り方が異なる.従って,照明条件の変化に強い正規化相互相関をベースとした手法を用いて対応点検出を行った.更に,形状が比較的滑らかという性質を利用し,計算時間の短縮を図った.
3.紙面形状の復元
(2)によって求めた計測点から,歪曲した紙面形状を曲面方程式で表現する手法を提案した.また,本の綴じ込みや紙の折れ目部分などでは曲率が不連続となるため,この部分をHough変換を用いて検出し,検出した線分で囲まれる領域に対してそれぞれ曲面を当てはめる手法を構築した.
4.歪曲補正・画像合成
歪曲した紙面形状を平らにしたときの画像を再構築する方法を提案するとともに,2台のカメラから得られる画像のうち高解像度の部分を合成し,綺麗な画像を生成する手法を構築した.ここでは,曲面上の2点問の距離を保存したまま形状を平面に変形させる方法を構築した.また,カメラの光軸と紙面の法線ベクトルの関係から,左右画像のうちどちらが高解像度かを決定して合成に用いた.
5.左右画像の色合い補正
照明条件やカメラの個差の影響により,左右カメラで文書を同時に撮影しても左右画像では色合いが異なる.そこで,(3)で求めた形状情報を用いると同時にShape from Shadingの手法を併用し,自然な合成画像を生成するために左右画像の色合い補正を行った.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)