学術標本の制作技法研究を通じた復元ー19世紀の石膏製数理模型と芸術の連動ー
【研究キーワード】
彫刻 / 学術標本 / 文化財 / 修復 / 復元 / 3D / 博物館 / 立体造形 / 保存修復 / 模型 / 芸術 / 数理模型 / 標本 / 美術
【研究成果の概要】
今年度は、昨年に引き続きコロナウイルスの影響が継続しており、海外研究機関への出張は困難な状況であった。しかしながら、初年度に計画し延期中となっていた、フランスでの展覧会を実施し、研究活動を通じた国際的な交流に取り組んだ。今年度に実施した展覧会は、ヨーロッパ最大のアジア美術コレクションを収蔵するフランス国立ギメ東洋美術館にて開催したものである。ギメ美術館は、アジア地域の現代美術を紹介する展覧会を定期的に開催しており、従来の収蔵品展示をするだけでなく、様々な方法でアジア美術の紹介を積極的に推進している美術館でもある。本展覧会は、当初2020年の東京オリンピックに合わせて開催を計画していたが、コロナ禍の影響もあり、1年延期し、2021年7月より開催したものである。様々な文化事業が、コロナ禍により中止するという判断が下される中、延期しながらも開催出来た事は、最終年度へ向けて大きな成果となった。コロナ禍の影響を大きく受けたパリの状況を踏まえつつも、2021年のギメ美術館にける同様の企画展と比較した場合に、最も多くの来場者を集めた展覧会であった。会期前後は、日本、フランスの両国内にてコロナ禍の影響が続いていため、オンラインでの打ち合わせを入念に進め、現地の協力者と連携しつつ、会場構成を検討した。会期中の来場者数も、16000人を超え、複数のメディアに取り上げられるなど、大きな波及効果が得られる展覧会となった。また、学術標本の復元研究は、昨年度から引き続き実施している。復元制作に伴い、模型を拡大して再制作する取り組みも進めている。これらは、最終年度に公開を計画しており、研究成果を広く公開できるよう努める。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)