摩擦滑りの物理モデルによる器用な操作と質感提示が可能なバーチャルリアリティ環境
【研究キーワード】
ハプティクス / バーチャルリアリティ / 摩擦滑り / 器用な操作 / ハプティックレンダリング / 摩擦モデル / LuGreモデル / 部分滑り / 把持操作 / 質感
【研究成果の概要】
本研究では、(A)摩擦モデルを構築し、(B)摩擦振動と滑りの計測に基づいてパラメータ同定し、(C)部分滑りの提示装置とその制御手法を確立する。これらを(D)把持操作VR環境に組込み、(E)器用さと質感の評価を行うことを計画している。
2021年度は、昨年度実現したLuGreモデルに固着時間依存性を組み込み、これを用いたハプティックレンダリングを実現した。部分滑り、ヒステリシス特性、Stribeck効果、粘性摩擦に加えて、固着時間に応じた静止摩擦力の増加を再現できるため、摩擦時のスティックスリップの発生頻度がより現実に近づいたように見える。
(B)の計測のため、摩擦対象を固定する台に抗力と接線力を計測するための力センサを、手首、指先に加速度センサを取り付け、手首の変異をカメラで撮影しつつ計測する装置を作成した。一つの摩擦対象についてデータを取得し、固着時間依存性を組み込んだLuGreモデルのパラメータをCMA-ESを用いて同定することを試みたところ、物理的に妥当でないパラメータが求まる場合もあり、修正を続けている。
さらに、(D)の恥操作VR環境について、グリップに超小型の1軸力センサを2つ取り付け、合力から3指の把持力を求め、これを反映させた3指による把持操作VR環境を構築した。解析法の物理エンジンを把持対象の運動のシミュレーションだけでなく、提示力計算のためのバーチャルカップリングにも用いたため、安定した把持操作を実現することができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
三武 裕玄 | 明治大学 | 総合数理学部 | 専任准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)