片頭痛の発作発症時期同定のための疼痛筋電位解析
【研究キーワード】
筋電位 / 片頭痛 / Wearableセンサ / Daily Health Logging
【研究成果の概要】
筋活動は,筋電位信号(EMG)として日常動作の中でも計測可能な数少ない生体信号であり,また我々の動きや感覚,情動や思考までを途切れることなく制御する神経系の,最終出力の一つである.そのため筋活動を,日常生活の中で神経活動状態を推定し,モニターするための「神経系の窓」として活用する可能性を探るのが本研究の目的である.対象として,片頭痛患を取り上げ,その発作タイミングを頸部筋活動から同定し,服薬タイミングを提示可能なシステム開発を目的とする.
2021年度は,片頭痛患者計測のための倫理申請を行い実験開始の準備を整えると共に,計測のためのデバイス開発を行い,7名の片頭痛患者の計測を行った.デバイス開発では,被験者のUserability向上のため,3日間は充電することなく,2000Hzで筋電位の連続計測が可能な,乾式電極を用いたデバイス作成を行い,予備実験により目的通りの連続計測が可能であることが確かめられた.
作成したデバイスを利用し,片頭痛患者の計測を行うことで筋活動の特徴を見出す実験を進めている.これまでに7名の患者の筋活動データを,各平均10日で取得した.これまでの研究では,筋電位は,数十秒から数分程度取得して解析するものが多く,数日にわたるデータを用いた研究はほとんどない.
これまでの解析では,片頭痛患者は平常時の筋活動が活発であることが示唆されているが,長期観測に対する筋活動解析に対する知見は少ないため,今後適切な計測手法を検討していく.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
島津 智一 | 埼玉医科大学 | 医学部 | 客員講師 | (Kakenデータベース) |
安 ち | 九州大学 | システム情報科学研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
岡島 正太郎 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 脳神経科学研究センター | 研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)